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津田寛治 『模倣犯』栗橋浩美役 津田寛治インタビュー。
重厚な装丁が記憶に新しい宮部みゆきの『模倣犯』が映画化された。マスコミを手玉に取り世間を翻弄する犯罪者の冷徹さを描く本作。そのキーマンの一人として新境地を見せてくれたのが、福井市出身の俳優・津田寛治だ。

text / MORIKAWA Tetsushi(www.e-fukui.com)
photo / ONUKI Hiroshi(Studio AXELL)
作品の世界観に入り込むために、まる3日間、原作を読むことに集中。
「ウロコが刃でできた怪獣に締めつけられるような映画」――『模倣犯』の見どころを尋ねられた津田寛治は、興奮気味にそう語った。

あこがれの森田監督作品への初出演、マスメディアを手玉にとり世間をもてあそぶ犯罪者という、これまでにない役どころ。彼にとって「初体験づくし」だった作品づくりの現場は、最初からエキサイティングなものだった。

「集中して原作の世界に入り込むために、3日間は他の仕事をしなかったんです。読後はとにかく『憎しみ』がわきましたね。浩美や(中居正広が演じる)ピースに対してだけじゃなく、彼らを生み出した社会に対しても」

その一方で彼は不安になったともいう。これだけ憎い奴を最後まで演じきれるのか、と。
高校時代のアルバイト先が、福井市順化の東映パラス(現・福井シネマ)だったという津田寛治。全国ロードショーとなった出演作が、かつて自分の働いていた映画館で上映される……まさに感無量といったところだろう。 高校時代のアルバイト先が、福井市順化の東映パラス(現・福井シネマ)だったという津田寛治。全国ロードショーとなった出演作が、かつて自分の働いていた映画館で上映される……まさに感無量といったところだろう。
   

何色にでも染まるというニュートラルな姿。これこそ、俳優・津田寛治としての生き方。
そんな思いをめぐらせる津田寛治に、森田監督は微に入り細に入った演技指導はしなかった。明確な『浩美像』――たとえば、浮遊感漂う「現実そのものを演じている」ような浩美のせりふ回し――は伝えるものの、あとは俳優の思うがままにさせてくれたらしい。 それは俳優自身のアイデンティティを引き出すための方策なのかと、一瞬思ったのだが……

「監督は作品の世界観を俳優に作ってほしくはないんですよね。だからむしろ、アイデンティティは強くない方がいい。アイデンティティのありすぎる俳優だったら、おそらく監督は細かい指導をすると思うんですよ」

ドラマの仕事を並行していることもあり、普段の自分をニュートラルに保っているという彼。「カッコつけるなら『何色にでも染まる』」と自分を評する彼にとって、森田監督の指導法は理にかなったものなのかもしれない。

『失楽園』『39・刑法第三十九条』『黒い家』――日本映画界に新風を巻き起こし続ける「森田マジック」で、今までにない『色』に染まった津田寛治。そんな彼の出演作が全国一斉公開されることは、福井に住む者にとってはこの上ない喜びといえるだろう。

「『津田寛治ってオレと同郷なんだよ』って福井の人たちにいつか自慢してもらえるよう、『模倣犯』をきっかけにもっとメジャーになります! これからも応援してください」
共演の中居正広からも多くのことを学んだという。「何よりも映画の撮影に対する姿勢。バラエティ番組の仕事を何本も抱えているのに、撮影現場の土俵に自分から近づいていって仕事に取り組む姿はすごいと思いましたね」
共演の中居正広からも多くのことを学んだという。「何よりも映画の撮影に対する姿勢。バラエティ番組の仕事を何本も抱えているのに、撮影現場の土俵に自分から近づいていって仕事に取り組む姿はすごいと思いましたね」



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